木になるはなし

ユズリハ(譲葉)

ユズリハ(譲葉)

学名:Daphniphyllum macropodum

慣れ親しんだ世紀から新しい世紀へのバトンタッチとなりました。ユズリハは、新世紀の新年を迎えるのにぴったりの木といえます。

「鏡餅」や「しめ飾り」など、お正月の飾り付けに欠かせないのがユズリハです。この木は新しい葉が出揃っても、いままであった古い葉はすぐには落ちない で、新しい葉が生長するのを待って一斉に落ちます。一家を支えてきた親(古い葉)が、立派に成長した子ども(新しい葉)に家督を譲り、のちの繁栄を託し、 途切れなく家系が続く象徴として、めでたい木とされているのです。

新旧の葉の入れ替わりはユズリハに限ったことではありません。常緑樹というといつも葉がついているので、あたかも同じ葉が何年も同じ枝についているように 見えますが、実はユズリハと同じように新旧の葉の交代は定期的に行われています。ただ、ユズリハの場合は葉が大きくて赤い葉柄が堂々としており、加えてそ の印象的な交代の様子が人々の目に留まったということではないでしょうか。


ユズリハ(譲葉)
日本人はこのように、自然に対して畏れと敬いの念をもって接してきたのですね。

私は年の暮れになると、大人たちについて山へユズリハの葉を採りに行った子どものころをなつかしく思い出します。なにかと忙しい年の暮れでも、忘れずに行われた行事でした。

ユズリハは山地だけではなく、庭木や公園樹としてもよく用いられ、日本では根強い人気を保っています。

ではお正月の一句を。

餅のこな 楪(ゆずりは)につき 目出度けれ
高浜虚子

データ

さあ、おめでたいユズリハを飾り付けて、新世紀の良いお年をお迎えください。

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