木になるはなし

ジンチョウゲ(沈丁花)
ジンチョウゲ

ジンチョウゲ(沈丁花)

学名:Daphne odora

春を告げる花のなかで、ジンチョウゲは、まだ肌寒さの残る早春に甘い香りを漂わせ、めぐる季節の到来を教えてくれます。

開花は3月ごろですが、花芽は12月ごろにふきだし、酷寒の時季をそのまましのぎます。花は外側がピンク、内側は白ですが、全部真白の「シロバナジンチョ ウゲ」も見られます。また、ジンチョウゲは雄木と雌木があり、日本に植えられているものは、ほとんどが雄株で、雌株はまれにしかありません。そのため実を 結ぶことはほとんどありませんが、ときとして赤い果実を見つけることもあります。ちなみに、この果実は有毒ですのでご注意を。

ところで4弁の花と見られる花に花びらはありません。“がく”が4つに分かれて広がり、それが花びらのように見えるのです。涙型をした蕾がひしめき合い、やがてこぼれるようにひとつひとつ開花していきます。

ジンチョウゲ(沈丁花)
「沈丁花は枯れても芳し」といわれるほど、その香りは甘く濃厚です。「沈丁花(ジンチョウゲ)」の名の由来は、花が、お香の「沈香(ジンコウ)と丁子(チョウジ)の香りを併せ持つから」だとも、「香りは沈香、花が丁子に似ているから」だともいわれています。

ジンチョウゲは室町時代に中国より渡来しました。中国では縁起の良い花として古くから珍重され、「瑞香」「睡香」などと呼ばれて愛好されています。昔、あ る僧が甘く情熱的な香りの夢を見て、目醒めたあと、その芳香を探し求めて出会った木が、夢で知った香りだったため「睡香」と命名したとか。のちにこの故事 が縁起のいい話だからということで、その意味の漢字「瑞」をあてて「瑞香」とも名づけられたとか。

花言葉は「優しさ・おとなしさ」。凍てついたような空気に紛れて、馥郁とした香りが鼻をかすめる。沈丁花の香りに出会うと、人にやさしく、地球にやさしく・・・と思います。

データ

植え付けは挿し木3〜5年の鉢植え苗か、50〜60センチの根巻苗を花期に、寒冷地では4月下旬あるいは9〜10月ごろに行うのが良いでしょう。

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