木になるはなし

シダレヤナギ(枝垂れ柳)
シダレヤナギ

シダレヤナギ(枝垂れ柳)

学名:Salix babylonica

昔から日本人に親しまれてきたシダレヤナギですが、実は中国原産です。奈良時代に朝鮮を経て渡来しました。水辺 を好んで生育し、細い枝がしだれるのが特徴で、落葉樹ですが、葉のついている期間が長いことも好まれ、庭園樹、街路樹、建築物の添景などとして重宝されて きました。

かでも西条八十作詞の「東京行進曲」で歌われる「銀座の柳」は有名です。銀座には、そもそも桜、松、楓が植えられたのですが、埋立地だったために水気が強 すぎて、根腐れを起こして枯れてしまいました。そこで窮余の策として、水気に強い柳が植えられたそうです。植木として当時はまだマイナーな存在だったので すが、逆に珍しがられて銀座の名物として親しまれるようになりました。

古来、美人を形容する言葉に柳は多く用いられました。柳のように細くてしなやかな腰つきを「柳腰」、柳の葉のように細くて美しい眉は「柳眉」、長く美しい頭髪は「柳髪」、しなやかな姿を「柳態」と、いずれも柳の容姿が細くしなやかであることかの例えです。

また、英語名willowの形容詞willowyは「きゃしゃですらりとした」という意味。垂れ下がる枝が微風にそよぎ、なよなよとした風情で立つ姿は東西を問わず、いかにも女性的な美しさを感じさせるのでしょう。

シダレヤナギ(枝垂れ柳)
シダレヤナギは水辺がよく似合う
そんな女性的なイメージの柳ですが、実は用材としては縁の下の力持ち的な存在です。しなやかな強さは、土木工事では土留めや護岸工事などに用いる編み柵などの材料として重宝され、クリケットのバットの材料としても用いられます。

さまざまな場面に登場するシダレヤナギですが、やはり極めつけは「うらめしやー」でしょうか?



データ

樹高10〜25メートルにもおよぶ高木で、湿気を好むが、反面、乾燥にも強いタフな木。

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