木になるはなし

ムクゲ(木槿)とフヨウ(芙蓉)

ムクゲ(木槿)とフヨウ(芙蓉)

学名:Hibiscus Syriacus(ムクゲ)
学名:Hibiscus Mutabilis(フヨウ)

じりじりと照りつける公園や庭先に彩りを添え、ホッとやすらぎを与えてくれる真夏の花が「ムクゲ」と「フヨウ」です。いずれも初夏から秋口まで咲きつづけ、熱帯の「ハイビスカス」とともにアオイ科の同じ仲間です。

6月半ばから咲き始めるムクゲを梅雨の晴れ間に見つけると、まるで梅雨明け宣言をしているかのようです。しかし、花ひとつひとつの寿命は極めて短く、「槿 花(きんか)一朝の夢」とか「槿花一朝の栄」などといわれるように、朝開花して夜には花を閉じ落花してしまう一日花なのです。花の短命さと、花弁を閉じて から散る姿の慎ましさなどが、昔から文学や茶の花としてよく取り上げられるゆえんでしょうか。

ムクゲは中国原産で「木槿」の漢字は中国名。お隣の韓国では国花とされています。日本へは万葉の時代に渡来したようですが、当時「朝顔」と呼ばれていたのがじつは「ムクゲ」のことではないかともいわれています。

アカマツ
ムクゲの花に少し遅れて、8月ごろから咲き出すのがフヨウの花です。四国・九州あたりに自生し、白あるいは濃淡 さまざまなピンクの花色で、ムクゲより大きめの花を咲かせます。昔から「芙蓉の顔(かんばせ)」などと美人に喩えられ、花言葉も「繊細な美・しとやかな恋 人」です。真夏の日差しのなかで目一杯咲く姿は、夏の代表花の座をヒマワリと競い合っているようにも見えますが、こちらもムクゲと同じ一日花です。

フヨウの園芸品種、スイフヨウ(酔芙蓉)は、朝の咲き始めは白く、次第にピンクっぽくなり、夕方には赤い花色に変わります。まるで色白美人がお酒の酔いとともに赤く染まっていく姿のようなので、この名が付けられています。

データ

ムクゲとフヨウの見分け方。フヨウは花も葉もムクゲより大きくて広い。フヨウの樹形はこんもりしているがムクゲは幹も枝も天に向かってまっすぐに伸びる。

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