木になるはなし

カラマツ(唐松)

カラマツ(唐松)

学名: Larix leptolepis

秋が深まり、山々も美しく色づくと、円錐型に整った木姿のカラマツは、純林として植生していることが多いため、黄金(こがね)一色に山を染め、秋の風景を一層際立たせてくれます。

カラマツは日本原産ですが、「唐松」と書くのは唐絵に描かれた松に喩えてこのように呼ばれたそうです。ところが針葉樹としては珍しく落葉するので、「落葉 松」とも書きます。「松なのに落葉するの?」と意外に思われるかもしれませんが、黄葉のあと、葉を落として冬を迎えます。

カラマツ(唐松)
大菩薩峠の紅葉
本州中部の山岳地方、北海道などに自生しますが、人工林も全国に数多く見られます。カラマツ林の名所といえば、八ヶ岳、軽井沢、浅間山、北海道の大雪山と枚挙に暇がありません。後立山連峰には名前もそのものずばりの「唐松岳」があります。

カラマツは高さが20〜30メートルにも達する大木に育ちますが、風の強いところでは地面を這って蛇がのたうつような凄まじい樹形となることもあります。黄葉するのは“カロチノイド”という黄色の色素成分が、その他の成分よりも相対的に強まるというメカニズムのためです。

カラマツといえば、北原白秋の詩を思い出します。大正10年に信州星野温泉で書かれたこの詩は、軽井沢に歌碑が残されています。

八連からなる詩にはカラマツの名称が繰り返し現れ、五七調のゆったりとしたリズムを作り出しています。このうち一番をご披露します。

からまつの林を過ぎて
からまつをしみじみと見き
からまつはさびしかりけり
たびゆくはさびしかりけり

データ

カキノキ科の落葉樹。果実のへた(柿蔕)はしゃっくりに、果肉は酒酔い、葉や渋柿の絞り汁は高血圧に、干し柿の霜は口内炎などの薬効あり。

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