木になるはなし

カキ(柿)
写真協力:
岐阜県糸貫町富有柿センター
(2点とも)

カキ(柿)

学名: Diospiros Kaki Thunb

畦道、ワラ葺屋根、そして柿の木・・・日本の秋の風情に欠かせないカキは、日本固有の果物の代表とされています が、カキの仲間はアフリカ以外の熱帯、亜熱帯に広く分布しており、学名のDiospirosはdios=神、pyros=果実、つまり「神の果実」として 知られています。堅い材として有名なコクタン(黒檀)もカキの仲間です。

本州以南に自生し、日当たりがよく、水はけのよい砂質粘土のような重い土の地盤を好みます。庭木として根元をよく踏まれることは、カキにとってよい環境のようです。5月ごろ淡黄の花をつけ、9月から11月に結実、そして紅葉と、四季折々の表情を見せてくれます。

カキの名は、その葉と実の色のアカキ(赤黄)から呼ばれるようになりました。古代ではその渋い実より葉の紅葉を「かきもみぢ」と呼び、賞していたようです。

「山里は かきの紅葉に鳩なきて 時雨も降りぬ 風もさむけし」
(『夫木和歌集』寂蓮法師)  




カキ(柿)
富有柿
独特の渋みは、カキに含まれる数種類のタンニンの混合物が味覚神経を刺激するのが原因で、脱渋したものはタンニ ンが水に溶けない状態に変化するため、味覚神経に作用しなくなるのです。渋みを感じないからといって、タンニンが糖に変化するわけではありません。タンニ ンには血管の透過性を高める働きがあり、高血圧を防ぎ、酒酔いにも効くため、昔から薬用としてとても重宝されてきました。

フランス語でカキはKaki、そのままです。英語ではPersimmon(パーシモン)、ゴルフクラブのヘッド でも有名ですね。木目が細かく真っ直ぐなところが適していました。いまは軽合金などに取って代わられ見かけなくなりましたが、ショットのあとの“渋い顔” とは、なかなかおさらばできません。
データ

カキノキ科の落葉樹。果実のへた(柿蔕)はしゃっくりに、果肉は酒酔い、葉や渋柿の絞り汁は高血圧に、干し柿の霜は口内炎などの薬効あり。

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