木になるはなし

ブナ

ブナ

学名:Fagus crenata

秋田と青森にまたがる白神山地は、世界最大といわれるブナの原生林でよく知られ、1993年には鹿児島の屋久島 とともに世界自然遺産に登録されました。都会の生活ではあまりなじみがないブナですが、北のほうの山林はブナとコナラ、ミズナラの落葉樹林、南のほうの山 林はカシ、シイの常緑樹林といった具合に、かつて日本の山地は広くブナ科の木々に覆われていました。

しかし、そのなかでもブナは、「木では無い」と書く名前のとおり、建材としての利用価値がないとされ、古くから伐採にあい、スギやヒノキといった針葉樹林 にその位置をとって替わられてきました。しかしいまでは、そのスギ林は花粉の飛散で疎まれ、豊かな保水力を持つブナ林が、地球環境保護の観点から見直され るようになりました。

ブナの木を見たことがない人でも、カシやシイといったブナ科の木々はご存じでしょう。そして子どものころ、どんぐり集めをした思い出もお持ちではないで しょうか。ただ、ブナの木の実は、どんぐりとはまるで違う姿形をしていて、毛のような柔らかい棘の生えた殻のなかに、小さな実がふたつ入っています。

黄葉が美しい秋のブナ
黄葉が美しい秋のブナ
山が色づく季節、葉を黄金色に紅葉させるブナ林は、山の実りにあふれています。
樹林の上のほうでは、木の実をねらった鳥やリス、猿などの小動物が活動し、下のほうではブナ林にはつきもののナナカマドが真っ赤な実を付けます。そして地上に生えたたくさんのキノコには、よく見ると動物の歯形がついていたりします。

東京近郊では西丹沢か上信越の山々、大阪周辺でしたら台高の上のほうか大山まで行けば、ブナの純林を見ることができます。

データ

別名シロブナとも呼ばれ、樹皮には灰白色でなめらか。温帯の山地に生え、高さ30メートルにもなる。

ページのトップへ戻る