木になるはなし

ハゼノキ(櫨)

ハゼノキ(櫨)

学名:Rhus succedanea L.

山に雪だよりが届き、里にはまだ紅葉が残る頃、モミジの紅葉、イチョウの黄葉などが目を楽しませてくれますが、ハゼノキの色鮮やかな紅葉も格別です。

ハゼノキは葉の形が羽状の複葉でナナカマドによく似ていますが、ナナカマドは北国によく育つのに対して、ハゼノキは関東より南によく見られます。

もともと日本には近縁種のヤマハゼが自生していましたが、中国原産のハゼノキは室町時代に琉球へ渡来し、薩摩、北九州へと広がりました。別名リュウキュウハゼとも呼ばれるのはこのためです。


ハゼノキ(櫨)
ハゼの実から蝋燭にする蝋が採れるため、徳川時代に蝋燭製造が盛んであった紀州ではハゼノキが盛んに植えられていました。家庭の庭木として植えられることはあまりありませんが、庭園ではモミジとともに紅葉を愛でるために用いられます。東京では小石川後楽園がおすすめです。

自生するヤマハゼからも蝋が採れ、姿もハゼノキとよく似ていますが、葉や若芽に毛があるのがヤマハゼで、毛がなくつるつるとしているのがハゼノキです。ど ちらも「ウルシ科」なので、人によってはかぶれることがあります。山でヤマハゼを見かけたら、紅葉だけ楽しんで、触れないように。ハゼノキも、かぶれやす い体質の人は注意が必要ですが、普通は樹液に直接触れない限り、それほど心配することはないでしょう。

またヤマハゼやハゼノキは昔から歌や俳句にも詠まれ、親しまれています。一句ご紹介しましょう。

櫨紅し 眉とうするる 桜島
水原秋桜子

データ

ウルシ科の落葉高木で雌雄異株、高さ10メートルぐらいになる。
暖地の山野に野生し、5〜6月ごろ黄緑色の小さい花を咲かせる。根は止血、血尿の治療に用いられる。

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